2019年04月02日
旧法では,自筆で記載する遺言(自筆証書遺言)は,その全文を自署しなければ無効とされていました。しかし,遺贈する目的物を特定するには,多量の情報を自書しなければならず,遺言者に過度な負担を求めることになり,その利用が阻害されているとの指摘がありました。
そこで,今回の改正では辞書を要求する範囲を見直し,財産の特定に関する事項(財産目録)については,自書を要求しないことにしました。
ただし,方式の緩和により遺言書の偽造・変造が容易になるおそれがあることから,財産目録を添付する場合には,その目録の各葉※に署名及び押印をしなければならないとしました。
財産目録としては,登記事項証明書や預金通帳の写しを活用できます。
※各葉とは,財産目録の全ての用紙という意味です。しかし,民法には,両面に記載がある場合には両面に署名・押印をしなければならないとされておりますので,結果としては「各ページ」とほぼ同じ意味となります。ただし,「各葉」とすると,片面にしか記載がない場合でも,その裏側に署名・押印をしてもよいことになり,その点で「各ページ」と結論が異なる場合があります。
なお,本文については,改正前と変わりません。
つまり,その全文,日付け及び氏名を自署するとともに押印をする必要があります。
加除訂正の方式も,改正前と変わりません。